人それぞれ 模型を作る 環境も 目的も 求めるレベルも 違いますので、どれが正解ということはありません。
ここで 私の書いている内容が 「正解」 ということもありません。
そのことは ご理解頂ければと思います。
・脳内模型
自分としては、人と同じことをするのが好きではないので、作りたいモノが決まるまで、結構時間が掛かったりします。
さらに、自分が欲しいレベル(飽きずに、ずーーっと 見ていられるレベル)で仕上げたいので、工作も塗装も かなりの工数と時間が掛かります。
長い期間掛けて、製作する「モチベーション」を維持するには、「最初の動機」 というか「構想」 が、かなり重要となります。
判る人には判って貰えると思うのですが・・・最近の最新の模型は 至れり尽くせり というか、全てが整ってしまっていて、自分なりの「手を入れる(改造する)」箇所が無い という感じで 「萌えない」んです ^^;;
モ〇モデル とか ド〇ゴン とか 確かに箱の中身を全部 組み立てれば、それなりのカッコイイ模型が 出来てしまう・・・でも 、自分の求めてるのはそれじゃないw
適度に省略された部分とか そういうのがある「手の入れ甲斐のある模型」に魅かれるんですよね・・w
同じ戦車でも モ〇モデル製 より タミヤ製を 選んだりw
戦車でも単品っていうのは、イマイチ 萌えないので、1体でも良いのでフィギュアを付けたい。ジオラマまで いかなくても 地面も付けて ヴィネットにしたい。
フィギュア や 地面があると ドラマが生まれる ので ^^
例 として
私が 1/144で2年間修行して 1/144も「やり尽くした感」があって、1/35にスケールアップ し始めて 出戻り1/35 4作目の 「1/35 ドラゴン Panther A 後期型 ノルマンディ」(初応募の キヤコン2006 で 銀賞 受賞w)をあげると・・・
その頃(2005~6年頃?)のアーマーモデリング誌に平田さんが発表された、自作ローラー、スタンプとエポキシパテで「ツィンメリットコーティング」を施されている記事を読んで、イッキに「閃いた」感じで。
自分の大好きな Panther A型 を、ツィンメリットコーティングを施した ノルマンディ戦の 3色迷彩で 「バルクマンコーナー」で有名はバルクマン曹長騎乗車っぽく(424号車)仕上げる! と 構想はすぐに まとまりました。
「自分の大好きなPanther A型 を自分の好きな仕上がりで 欲しい!!」
これが最大のモチベーション です。
ここまで、構想が明確だと、あとは速いw
この頃は 1/35 Panther A となると ドラゴン製しか無く(タミヤのパンサー中戦車は デフォルメが効き過ぎてるのでw)ドラゴンの1/35 Panther A型後期型を購入。
やっぱり可動履帯は外せない ということで モデルカステンの Panther A型用の可動履帯を購入。
どうしても車体後部上面のエンジンルーム上の排気口のメッシュは、付けたかったので、GUMKAの 必要最低限のエッチングーパーツを購入。
ちなみに この作品は 着手から 1か月 で完成しました。
全てが新鮮で、夢中で作った記憶があります。
あまり大きな失敗もなくリカバリーすることもなかったですし、思い描いたまま完成した感じです。 そんなこと なかなか ないんですけどねw
頭の中で 予行演習というか「脳内模型製作」してたことが、全てその通りに実行できて、予想通りの仕上がりになった ってことです。
どうやってツィンメリットコーティング用のローラーとスタンプを製作するか思案したり、3色迷彩の色合いを考えたり、「424」はどう表現しようか考えたり そうやって考えてる時間が楽しいんですね ♪
仕事の合間(社有車で客先への移動時間)とか、常に考えてますからねw そうやって頭を使ってると頭の回転もどんどん速くなりますし。
タミヤパテのキャップを輪切りにして エポキシパテと真鍮パイプ、真鍮線、ライナーで製作した 「自作ローラー」と「スタンプ」
この時は コーティングに タミヤのエポキシパテ(高密度タイプ)を使用した記憶が(混ぜると薄グリーン色だった気が)あります。
施したい面にタミヤのエポキシパテを なるべく薄めに伸ばして、表面に水を付け、ローラーにも水を付けて ゆっくりコロコロと転がしていきながら、ツィンメリットコーティングを施していきました。
1/35 Panther A Late Type [424] Normandy
夏のノルマンディを意識して 明るめの3色迷彩を施してます。
実車は 刷毛で塗ってるはずですので、各色の境目が もっとハッキリしてるんでしょうけど、それだと あまり格好良く見えないので、そこは ボヤカし気味にして、ブラウン系よりグリーン系が強めに出るようにしてます。(自分の美意識的に)
かなり、自分の狙った通りの色合いになりました。
模型ですので、「記録写真の実車をそのまま再現!」するより、より格好良く見える見栄えで作った方が良いと思いますね。
美術的要素というかね。
当然 各色は混色して作ってます。各色が浮かないようにするために、ダークグリーン系、ダークブラウン系 それぞれにダークイエローを混ぜてます。
あとで、ウォッシングしたりすると色が暗めになるので、それも考慮して フラットホワイトを足して明度を上げておいた方が良いです。
塗料が足りなくなると 二度と同じ色は作れないので、各色 少し多めに調色しておいた方がいいですね。
私はインスト(説明書)通りの色は使ったことないですw
自分の「希望する仕上がり」に合った 色合いにしたいので、ほぼ100%混色して調色します。
1/35 Panther A Late Type [424] Normandy
A型の この角度が堪らなく好きですw
後部のエキゾーストパイプと 空気取り入れ用のパイプが 特徴的です。
エキゾーストは熱焼けして酸化して塗装は落ちた状態に。
パイプ内には異物混入防止のためのプレートをプラ板で追加。
転輪にも 3色迷彩は描いてますが、泥のピグメント で汚れてるので、見えませんw
1/35 Panther A Late Type [424] Normandy
精密感を出すために、OVM周り や 予備履帯ラック周りを キッチリ作ってます。
予備履帯ラックはエッチングパーツに換えてます。予備履帯が落下しないように、真鍮線のピンを刺してます。予備履帯もモデルカステンの可動履帯で、ピンバイスで貫通穴を明けて、プラ棒で作った 履帯連結ピン を刺してます。
こういったちょっとした工作が精密感を醸し出します。
「履帯をそのまま接着する」みたいなのを、模型の業界では「イモ付け」と言いますが、こういう 治具なり、金具で固定されているのを再現してあげると、精密感も リアルさ も演出できます。
私がよく思案するのは、こういったところが多いです。
どこの部分で精密感を出そうか? どうしたらリアルに見える? そこの構造はどうなってる? とか。
砲身のお掃除用道具の入った車体横の長い円筒形のパーツは、キットのままですけど、蓋の取っ手は プラの突起を削り取り、真鍮板に置き換えてます。
履帯は 最初から少し錆びが浮いたような色に塗っておくと、リアルに仕上がります。
ジャーマングレイ+ブラウン系+白+クリアー(半ツヤくらい)のラッカーをエアブラシで塗装して、土のピグメントをアクリル溶剤で溶いて塗りたくり、半分乾いてきたら、要らないTシャツや綿棒で凸部分を拭き取り、地面と擦れる部分をメタルカラーのアイアンで塗ったり、 5Bの鉛筆の芯を削って粉にしたモノを綿棒に付けて擦り付けたりすれば、元がプラとは思えない重量感ある金属的な履帯に。
金属部分の塗装や仕上げ方は、また別な機会にでも詳しくw
1/35 Panther A Late Type [424] Normandy
1/35 Panther A Late Type [424] Normandy
「424」は デカールではなく、マスキングして塗装で施してます。
ツィンメリットコーティングしてるので、貼るのも難儀ですし、それに塗装の方がリアルかな っと思ってw
幅広のマスキングテープに 白用の マスクを 4と2 それぞれ くり抜いて作り、白で拭いた後、 少し小さめに くり抜いた赤用のマスクを貼り付け、赤系を吹いてます。
車体前部側面の国籍マークもマスキングして塗装で施してます。
マスクはそれぞれ デカールを見本に使い、作ってます。
グリルメッシュはGUMKAのエッチングパーツです。
1/35 Panther A Late Type [424] Normandy
1/35 Panther A Late Type [424] Normandy
やっぱり戦車単体だと寂しいので、車長フィギュアを乗せてます。
乗せてるといっても上半身だけですけどw このキューポラから少し覗いてる感じが好きで。
ヘッドは 多分 ウォーリアーのだったと・・・
多分 フィギュアの塗装も1/35では「お初」だったと思いますw
その割には 上手く塗れたなぁ~ (今でも不思議)
ちゃんと国防軍の戦車兵に塗ってます、リサーチして。
チッピングに関しては 使用感を出すには良い技法なんですけど、ついつい やり過ぎてしまいがちw
人の動線を意識して、よく擦れる部分にだけ、ポイントを絞って施すと「嘘っぽさ」が出ずに良いです。
あと3色迷彩の場合、グリーンやブラウンの下はイエローなので、それも考慮して、まずはイエローでチッピングして、 そのイエローの中に金属色のジャーマングレイを塗る。で、部分的に ピグメントで錆び色を少し滲ませてあげたりすると、傷の出来た時期をずらせるw あと「グリーンだけ剥げて下地のイエローが剥げない」っていうのもアリです。 いかに均一化させないか がポイントです。
キューポラの機銃架のレールは機銃架と頻繁に擦れるので、ジャーマングレイでチップしたら、角張ったところ等を5Bの鉛筆の芯で擦ってあげると、金属光沢が出て、硬質感と重量感が醸し出されます。
1/35 Panther A Late Type [424] Normandy
最後に・・・
実は、この作品は 「あること」をちゃんとしていれば「キヤコン 金賞」だったんですw
なぜ「銀賞」だったのか?
それは この写真ではわかりませんが、キヤコンに応募した時に、WAVEの模型用ケース(土台が黒で、透明の箱型の蓋が被るケース)に入れて送ったんです。
キヤコンの審査員(多分 金子さん か 高石さん だった)にキヤコン懇親会で言われましたw
「ちゃんとした 木の展示台 だったら 金賞だったよ」って・・・^^;;
キヤコン初参加でしたし、破損なく送って届けることしか頭になく・・・w
展示台も含めて「作品」ということです。
渾身の作品が出来て コンテスト等に出されるのであれば、展示台にも気を遣いましょうね。
これ以後は 展示台も手抜かりなく作ってます。
初キヤコン で 金賞 獲っておきたかった・・・(T - T)